【腸閉塞】
腸閉塞は、腸管の内容物の通過が妨げられている状態のことをいいます。
別名「イレウス」ともいいます。
腸閉塞は機械的に閉塞している、機械性イレウスと腸管の動きの問題で、内容物が流れない機能性イレウスに分類されます。
機械性イレウスの原因としては、術後の癒着や腫瘍、炎症や異物などがあげられます。
さらに機械性イレウスは、血流障害の有無で2つに分類されます。血流障害のない「単純イレウス」と、血流障害を伴う「絞扼性イレウス」です。
腸閉塞の症状としては、まずは腹部膨満と嘔気・嘔吐です。そして排ガスの停止や腹痛も認めます。
絞扼性イレウスの際には、腹痛の程度が重く、それに加えて冷汗なども認め顔面も蒼白になることもあります。
腸管が壊死に至れば、板のように腹部が硬くなり腹痛も増悪します。
診断
最も使用される検査は腹部のレントゲンですね。
しかし、腸閉塞により拡張した腸管を検出するにはベッドサイドでもすぐに行うことができる腹部エコーが非常に有用です。
また絞扼性イレウスを少しでも疑えば、造影剤を使用したCTを撮影することになります。腹部造影CTは腸管の虚血状況の評価のみではなく、腸閉塞の原因の特定にも有用とされます。
腸閉塞の治療
絞扼性イレウスであると診断した場合は、緊急手術です。
また単純性イレウスの場合は、入院して頂き点滴で治療します。
胃に管を入れる(胃管)、または上部空腸までチューブを挿入する(イレウス管)などを行い、腸管の内容物を口から外に出す処置も行います。
チューブで減圧することにより、イレウスが解除し排ガスや排便が再び始まることもあります。
保存的な治療に反応しない場合や、絞扼性イレウスに移行した場合は手術を行うことになります。
再発率は報告によってまちまちですが、16-42%とされています。
また手術を行っても、チューブで改善しても、その後の腸閉塞の再発率は変わらないことも分かっています。