こんな体重減少は要注意
- ダイエットをしているわけでもないのに体重が減少している
- 明らかに食欲が落ちて体重が落ち始めた
- 食欲があっていつも通りの食事をしているのに体重が落ちている
その結果として - 半年で4-5キロ痩せてしまった(あるいは体重5%以上の痩せ)
このような体重減少の仕方は、体のどこかに何かしらの異常がある可能性があります。上記のような体重減少が認められる場合、まずは消化器内科に相談をしてみて下さい。
体重減少の原因
一般的には3つです。
- エネルギーがとれない
- エネルギーの消費が増えた
- エネルギーが漏れている
それぞれのカテゴリーで「胃腸の病気以外」にも原因になる疾患は非常に多く存在します。当院は消化器内科ですので、申し訳ありませんがここでは「胃腸の病気」の解説のみを行います。それでも非常に多くの病気を列挙することになりますし、「胃腸の病気」だけでも全てをここに列挙するのは困難な数なのです。
エネルギーがとれない
3要素:食事量の不足、栄養の吸収障害、栄養の利用障害
「胃腸の病気」
まずは消化管の癌ですね。胃がん・大腸がん・食道がんなどの癌が進行すると、食事の通過がままならなくなります。すい臓がんや胆のうがんなどでも、進行すると黄疸や腹痛がおきて、食事がとれなくなってきます。
重度の逆流性食道炎や食道アカラシアでは食道が狭くなり、食べ物が通過しにくくなります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、腹痛や胃腸の動きの低下により食事の摂取量が減ることがあります。
慢性膵炎では、食後の腹痛と消化吸収の機能の低下が問題になるでしょう。
クローン病や潰瘍性大腸炎では、腹痛による食事量の低下や、栄養の吸収障害により体重減少をきたすことがあります。
胆石症で発作を繰り返すような状況では、痛みで食事が十分にとれません。
慢性肝炎や肝硬変では、栄養素の利用障害が起こり、食べても痩せていきます。
また胃や腸の手術のあと、吸収障害を後遺症として残すこともあります。
下剤の乱用での痩せもここに該当します。
※食欲不振のページも参照下さい
エネルギーの消費が増えた
これも「癌」のパターンです。食道がん、胃がん、大腸がん、すい臓がん、肝臓がん、胆のうがん、胆管がん、など消化器領域だけでも非常に多くの種類の「がん」が発生します。また「体重が減る」という症状は、一般的には「ある程度進行した癌」の症状であることが多いです。
エネルギーが漏れている
寄生虫が腸管内に住みつくと、体重が減ることがあります。また非常に珍しいですが、蛋白漏出胃腸症では、タンパク質が腸管の表面から染み出て体外に排出されてしまいます。
受診の目安
「他の症状があるか」「体重減少の程度(半年で4-5キロ、もしくは体重の5%)」の2点です。上記内容を踏まえて、少しでも「おかしいな」と思ったら、まずは消化器内科を受診しましょう。体重減少は消化器疾患が関係している場合が多いですし、消化器内科医は「体重減少」の診察に慣れています。さらに消化器科を標榜するクリニックや病院では、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)・腹部エコー検査など消化器内科医しか専門的には行えない検査も行うことが可能です。
当院の消化器専門外来
仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは消化器内科を主要科目として扱っており、消化器疾患や消化器症状でお困りの方を対象に消化器専門外来を実施しております。24時間ネット予約も可能となっており、院内の感染対策も充実した環境が揃っています。体重減少で体調がおかしいな、と思ったらいつでもご遠慮なく当院までご来院ください。