腹痛を和らげる姿勢
腹痛の時には、一般的に前傾姿勢をとると良いとされています。前かがみになることで腹壁の緊張が取れ腹痛が改善する可能性があります。また、 便秘の場合はお手洗いの際に直腸を立てるために数センチほど足を上げると良いでしょう。前傾姿勢とは、体育座りのように股関節を曲げて足を抱えるようにしてしゃがむイメージです。
他にも横になると腹痛が和らぐ場合もあります。これは一般的に推奨されている「シムスの体位」と言われ、横向きになり足を曲げ姿勢を丸めるような体勢です。横になる際は「消化を促す時は体の右側を下」「逆流性食道炎の場合は逆流を防ぐために体の左側が下」をそれぞれ下にして横になると良いと言われています。
猫背と腹痛の関連性
腹痛と猫背は何か関係があるのでしょうか?「猫背でいると腹痛になる」のでしょうか?もしくは「猫背によって腹痛が和らぐ」のでしょうか?
腹痛の際に猫背の姿勢をとると、横角膜が下がり胃の圧迫で腹部の臓器の動きが抑制された結果、腹痛が和らぐことがあります。しかし、FD(機能性ディスペプシア)のような痛みがある方には、痛みが悪化することがありこの姿勢はおすすめできません。腹痛の種類によっては猫背になることで痛みが和らぐこともありますが、健康な体で猫背の癖はあまり良いとは言えません。猫背の方はそうでない方と比べ、FD(機能性ディスペプシア)やIBS(過敏性腸症候群)を発症しやすい傾向があります。
例えば、長時間パソコンワークをしてる方や前かがみの姿勢でいる方は注意が必要です。この状況をずっと続けていると胃痛や腰痛など体の不調を感じる方もいらっしゃいます。必ずしも不調が出て疾患を発症するとは限りませんが、健康に影響を及ぼすことも考えられるので、日ごろから良い姿勢を心がけましょう。
女性特有の腹痛
女性の場合、腹痛の原因の1つに生理痛が当てはまります。この場合は下腹部痛を中心に痛みを感じる方が多いです。この生理痛の原因として考えられるのが腹部の冷えです。また、女性ホルモンによる自律神経の乱れが原因で心身ともに不調が起こります。
また一般的に、生理前は便秘になりがちで、この便秘が原因で腹痛が起こる場合もあります。ひと言に「腹痛」と言っても腹部は広く、性別や関係している臓器により痛みの感じ方は様々です。
もしも夜中に腹痛を感じたら?
夜中に腹痛を感じて焦ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?夜中で病院が空いてない時に家庭でできる対処方法は何かあるのでしょうか?
何が原因かの腹痛によりますが、下痢の場合は、下痢止めを飲まずに排便するようにしましょう。一過性の感染性腸炎やウィルス性腸炎だと、病院へ行かなくても自然に回復することもあります。上腹部通の場合は胆石発作や胆嚢炎のこともありますし、背部痛を伴う時は膵炎のこともあります。注意が必要な症状としては、下痢が何日も続く場合や発熱がある場合、腹痛が普段と違って強い場合は受診をお勧めします。
腹痛を感じて病院に行くまでの期間は?
腹痛を感じてからどのくらいで病院へ行くべきでしょうか?日常生活を送っていると、軽い腹痛は多くの方が感じたことがあると思います。「痛いけど我慢できる」「痛みがあったが気づいたら治まっていた」という方も多いでしょう。
過食や冷えなどによる一時的な腹痛で、疾患が原因でない場合もあります。状況は人により異なりますが、病院へ行くかどうか判断するタイミングはいくつかあります。例えば、いつもと違う痛みを感じる、 発熱している、嘔吐や血便の有無などです。普段感じない体の不調や違和感があったら、すぐに病院へ行きましょう。ご自身の健康状態を把握することができます。
腹痛の時に良い食べ物とは?
腹痛に効果のある食べ物や飲み物は何かあるのでしょうか?例えば、生姜湯や温かい飲み物が良いとか聞いたことはありませんか?また、「お腹を温めた方が良い」ということも聞きます。このように腹痛に効果的な飲み物や、腹痛の対処法で温めるとかは正しいでしょうか?
例えば、生理痛の場合だとお腹が冷えると腹痛が増すので、お腹が冷えない温かい食べ物がおすすめです。また、過敏性腸症候群に伴う腹痛や下痢の場合は、小麦など消化に時間のかかる食べ物は体の負担になるので控えましょう。体を温めるという観点から言うと、生姜は体全体を温める効果があるので冷えが原因の腹痛には効果的です。しかし、摂取したその日に即効果があるというわけではありません。あくまでも長期的に見て少しずつ健康になっていくということです。健康を維持するためにも良い食生活を心がけましょう。虫垂炎や憩室炎など炎症を起こしている場合は温めると穿孔する可能性もあるので、この場合は温めてはいけません。