土日診療の注意点
土曜日・日曜日は仙台厚生病院および仙台オープン病院の医師に応援に来て頂いています。いずれのDrも内視鏡専門医の資格を有するのはもちろん、本当の意味でのプロフェッショナルな先生方ですので安心して受診して下さい。
しかしながら、土日の診療は良くも悪くも「病院品質の診療」であることをご理解下さい。
【土日診療を受ける際に認識して頂きたい注意点(悪いところ)】
土日に診察・検査を担当する医師は、先進医療機関の医師であるため「病院品質」の患者さん対応であること(対応が総じてドライ)。
患者さんに寄り添う能力は平日の常勤医のほうが高いと言えます(あくまでも平均値ですが)。
土日の診療が絶対に向いていないひと
- まずは「不安」を受けとめて欲しい患者さん
- いわゆる「病院の医師」の対応がどうしても苦手な患者さん
患者さんによっては平日の受診をお勧めしています。
【土日の診療・検査の良いところ】
- 土日に内視鏡検査が受けられる
- 技術も機器も先進医療機関と同等レベル(もしくはそれ以上)
- 平日に比べ診療・検査のスピードが速い、待ち時間が少ない
- 日曜日は直前でも予約が取りやすい
- 紹介が必要となった際には、スムーズな対応が可能
土曜日と日曜日については、医師の診断能力・治療技術は先進医療機関と比べても間違いなく高いと言えます。泉中央院の非常勤医師は、先進医療機関の「医師として最も脂の乗った時期の中堅医師」か「指導医クラスの医師」しか勤務していませんので。
土日の診療が向いているひと
- 無駄な時間を省きたいひと
- 健診で異常を指摘されており、素早く確実に「心配な状況ではないこと」を確認する必要があること
- 定期的な内視鏡検査が必要であり、内視鏡を繰り返し受けていて、自分の病状を把握しているひと
- 先進医療機関に勤めるプロフェッショナル医師の検査を希望しているが、経験の浅い若手医師に検査を行われるリスクを嫌うひと
※注)先進医療機関には「経験不足」の医師も沢山います。そこは当然ながら研修機関であるため。
【医師に求められている能力は、その舞台によって違いがある】
土日の非常勤医師は「仙台厚生病院」および「仙台オープン病院」に勤務する医師に診療応援に来て頂いています。いずれの病院も全国トップクラスの内視鏡治療件数を誇ります。その病院のなかでも、医師として気力も技術も知識も充実した中堅の医師、もしくは「+患者さんに寄り添う力」も備えた指導医クラスの医師が診療にあたって下さっています。
泉中央院の土日を支える非常院医師は内視鏡検査の質や医学的判断は申し分がないと断言できます。
また検査自体のスピードも申し分ないでしょう。
間違いなく「腕は一流」です。
しかし時折、患者さんからの苦言を呈されるのも事実です。
「あたかも《病院》のような対応であった」
これは「もっと寄り添って欲しい」「話を聞いて欲しい」ということです。
この患者さんの想いはよくわかります。
しかし先進医療機関に勤務する多くの医師は、それが「苦手」です。
そのための「トレーニング」も受けていません。そして「患者さんに寄り添う能力」を本質的には「求められていない」ですから。
また昨今は病院勤務の医師には、ますます時間がない状況になってます。「患者さんに寄り添うこと」が二の次になっているのも同じ医師からすれば、、致し方ないなとも感じています (理由はざっくりですが後述します)。
先進医療を提供する病院に勤務する医師の仕事で大事なことは「きちんとした診断・治療を行い、命を救うこと」と「研究を行い論文を執筆し、症例を報告をして、日本の医療全体のレベルを上げること」です(ほかにも沢山ありますが)。「患者さんの気持ちに寄り添う対応力」は、あくまでも「あったらいいな」の能力です。
無論、患者さんの気持ちにも寄り添える病院勤務医はいらっしゃいます。しかし多数派ではないとも思います(山岡の個人的な印象としてです)。
そして非常勤医師へもクリニック側からお願いはしています。
クリニックでの勤務に際しては「ギアチェンジ」の必要性があること。
病院勤務とは医師として求められていることに違いもあること。
そして、、そもそも医師が患者さんの不安な気持ちに「寄り添うこと」は医師としては同然で、本来は非常に重要であることについてもお伝えしています。
また患者さんから苦言を頂いたときには、該当する医師には事実をしっかりお伝えしています。
しかし一朝一夕に病院勤務医師が「場面に応じてのギアチェンジ」ができるようになるかと言われれば、、そうではありません。
クリニックとしては今後も非常勤医師には患者さん対応の改善を求めてはいきますが、上記の事情をご理解頂ければとも思います。
【最後に】
「昭和の医者は良かった」
「胆石の手術で1週間入院が当たり前だった」
「そういうなかでは患者さんと向き合あう時間も余裕も十分にあった」
「良性疾患でも患者さんとゆっくりお話をして、ひととなりや背景まで把握することが出来る余裕があった」
「今はそんな時間的な余裕は全くない」
ある著名な現役外科医が著書のなかで述べていらっしゃいました。
これには構造的な問題があると感じます。 医療費の増大を背景にした診療報酬の度重なる減額、医師の働き方改革、新研修医制度による医局の崩壊、研修医の待遇改善、求められる医療安全レベルの急上昇、小規模民間病院の乱立、病床の供給過多、大学病院などの独立行政法人化、人件費の高騰、医師の偏在、臨床教育システムの問題…。
さまざまな要因がありますが、いずれも結果的には「病院勤務医が患者さんと向き合う時間」を奪っています。
しかし昨今は急速に「医療が効率化」されています。
ある意味で「医療がファストフード化」しているのですが、そこには良い点も沢山あります (無論、弊害も沢山ありますが…)。
しかし、もう「昭和の時代」の医療は提供が出来ないのも事実です。
「患者さんも賢くなって、今の医療の良い所をもっと上手に利用すべきである」とその著名な外科Drはおっしゃってました。
その通りだなと思います。
当院の土日の診療体制は良くも悪くも「病院品質の診療」であることをご理解下さい。
診察・検査は先進医療を提供する病院のレベル感です。
ここをしっかり認識して、土日の内視鏡検査を上手に活用して頂ければと思います。
理事長 山岡肇