逆流性食道炎とストレスの関係性
逆流性食道炎は、ストレスが自律神経に影響を与えることで発症しやすくなると言われています。自律神経は胃酸の分泌を調節しており、ストレスがかかるとその調節が乱れることがあります。その結果、胃酸の分泌量が増えたり、分泌の時間帯が変わったりして、逆流性食道炎のリスクが高まることがあります。胃酸の分泌の時間帯が変わるというのは、例えば、日中に胃酸が多く分泌されても、立っていたり座っていたりすることで重力の影響を受け、胃酸が逆流しにくくなります。しかし、夜間、寝ているときには重力の影響が少なくなり、胃酸が逆流しやすくなります。そのため、 ストレスによって自律神経の調節が崩れてしまうと胃酸の分泌時間が夜間に偏り、逆流性食道炎が発症しやすくなります。
逆流性食道炎と神経の関係性
逆流性食道炎と神経の関係性について考えるとき、重要なのは自律神経の役割です。自律神経には、交感神経と副交感神経の二つがあります。自律神経は胃酸の分泌を調節しており、その調節が崩れると胃酸の分泌量が変動することがあります。このように、ストレスが神経に与える影響は、自律神経の調節を通じて逆流性食道炎のリスクに関わってきます。 「神経が過敏になる」という言葉がありますが、過敏になるときは、交換神経が有意になるので、そういった面からも少しは 関係しているかもしれません。ただし、神経の過敏さ自体が直接的に逆流性食道炎の原因になるわけではなく、あくまで自律神経のバランスが崩れることによって発症リスクが高まると考えられます。
ストレスで胃酸は上がるのか
先ほどからもお話しているように、ストレスは自律神経の調節に影響を与えます。自律神経は胃酸の分泌をコントロールしているため、ストレスがかかると胃酸の分泌量が上がったり、あるいは減ったりすることもあるかもしれません。また、分泌する時間帯の変化、変動もあるかもしれません。このような変動が、胃酸が逆流しやすくなる要因となり、逆流性食道炎のリスクを高める可能性があります。
ストレスを感じない人は逆流性食道炎にならないのか
ストレスが自律神経を乱すことで、逆流性食道炎のリスクを高めることがありますが、逆流性食道炎はストレスだけが原因で発症するものではありません。例えば、食べ過ぎて胃酸分泌が多くなり過ぎる場合や前かがみの姿勢、食後すぐに横になるなどの行動が、胃酸の逆流を引き起こし、逆流性食道炎の原因となることがあります。 そのため、ストレスを防ぐことが逆流性食道炎を完全に予防するわけではありません。ストレスが高い人は、逆流性食道炎を発症しやすいかもしれませんが、ストレスがないからといってリスクがないとは限らないです。
文章 ~医師 本間~