胃カメラ検査による死亡はありえるのか
結論からお伝えすると、ゼロではありませんが可能性は非常に低くなります。亡くなられてしまうケースとしては、検査自体というより、合併症の可能性の方が高いかと思います。当院では検査が辛くないように鎮静剤を使用しています。ただ、死亡原因としては、そのお薬の偶発症による呼吸停止などが考えられます。また、検査前の食事が残ってるような状況だとふとした拍子に吐いてしまい喉を詰まらせてしまう危険性は高くなります。事前の準備として、絶食の時間等はしっかりと守っていただく必要があります。
鎮静剤の安全性
鎮静剤による死亡事例を先述いたしましたが、鎮静剤は安心して使用できるものと考えております。まず、合併症自体の頻度は非常に低いものにもなりますし、 当院で使用しているプロポフォールという薬剤は効果時間も非常に短いものにはなります。そのため、比較的短時間で回復が見込めますので、酸素・血圧などの数値をモニタリングしながら、必要に応じて、酸素投与などの対応をすることで安全を確保しながらやっていけると判断しています。
胃カメラ検査を受けない選択をしてしまうと
胃カメラ検査は、基本的には50歳以上の方に検診を推奨されている検査です。特にピロリ菌等を過去に診断されたような方は、年1回の検査が推奨されます。定期検査をすることで大事に至らないような段階で病気を見つけることが期待できますので、検査をおすすめしています。また、胃の検査にはバリウム検査もありますので、ハードルが高いというような方であれば、バリウムで検査しても良いかと考えています。バリウム検査で指摘があればやはり胃カメラ検査がお勧めです。
文章 ~医師 杉山~