このような症状に当てはまっていませんか?
- やたらと尿量が多い
- 喉の渇きが気になるようになった
- 水分の摂取量が増えている
- だるさが取れにくくなった気がする
- 食べているのに体重が減ってしまった
- 健康診断で血糖値やHbA1cの値が高いと指摘された
上記のような症状に多く当てはまる方は、糖尿病の可能性があります。糖尿病は、そもそも自覚症状が現れにくい病気として有名です。つまり自覚症状が出てきているということは、ある程度糖尿病が進行しているかもしれません。また、「目がかすむ」「手足がしびれる」等のような神経に関する症状が出ている場合は、糖尿病の合併症を引き起こしている可能性もあります。
健康診断で指摘された方も、上記のような症状が出ている方もできるだけ早く病院へ受診をすることをおすすめいたします。
尚、当院では重度ではない糖尿病患者様を対象として診察させていただきます。重症の糖尿病であると判断した際は、専門の病院へご紹介いたします。
糖尿病とは
日本では40人に1人が糖尿病と言われているほどに現代においては非常に有名な病気になっています。どういう状態を糖尿病と呼ぶのかというと、インスリン(血糖値を調整するホルモン)が上手く働かず高血糖の状態が慢性的に続く状態のことです。数値的には、空腹時血糖126mg/dl以上または随時血糖200 mg/dlまたはHbA1c(NGSP)6.5%以上という結果が出た場合は糖尿病と判断されます。血糖値が高い状態を放置してしまうと、臓器不全を起こし始め、様々な合併症を引き起こすことになってしまいます。
また、糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病という分類が存在します。1型は「インスリン依存型」とも呼ばれており、自己免疫疾患などが原因でインスリンが分泌されなくなるものです。この場合はインスリンを注射する必要があります。
2型は「インスリン非依存型」と呼ばれ、遺伝的な理由や暴飲暴食、運動不足などの生活習慣が加わることで発症します。1型と2型で原因が全く違うため、正しく類型を診断してもらった後に、それぞれに適した治療や対策を施していくことが重要です。
さらに糖尿病は、前述したように自覚症状が無い為にひっそりと重大な合併症が進行している可能性も存在する非常に危険な病気です。膜症・腎症・神経障害の三大合併症の他にも、動脈硬化が進み、心臓病や脳卒中にまで発展する可能性も存在します。
上記のような状態にならないためにも、そもそも糖尿病を発症させないようにするための1次予防、発症後も血糖値をコントロールすることで生活に支障を来さない2次的予防、最後に合併症をできるだけ緩和させる3次的予防により、可能な限り防いでいくことが重要です。
糖尿病の原因
2型糖尿病の原因としては、下記のような項目が挙げられます。
- 過食(特に高脂肪食)
- 運動不足
- 慢性的な肥満
- 過度なストレス
- 40歳以上の方
- 家族に糖尿病の方がいる
といった生活習慣や加齢といった要因が加わり、発症するとされています。このため、2型糖尿病は「生活習慣病」ともいわれるのです。また、肥満がなくても、内臓脂肪が増える「メタボリックシンドローム」と呼ばれる状態になると発症しやすくなります。
1型糖尿病の原因としては、下記のような項目が挙げられます。
- そもそも1型糖尿病にかかりやすい体質をしている
- 何らかの原因により、インスリンを作る膵臓の一部が異常を起こしている
しかし、1型の糖尿病は10人に1人もいない程の稀な類型です。基本的には、2型であることが多い為、しっかりと生活習慣病として向きあって対策を施すことが重要です。
糖尿病は知識があればあるほど、上手に付き合っていけるようになる病気なのです。
糖尿病が引き起こす合併症について
糖尿病性網膜症
網膜血管に障害が発生し、
- 目のかすみ
- 視力の低下
などの症状が現れ、最悪の場合は失明してしまうこともあります。気になる場合は、眼科へ定期的に受診すると良いでしょう。
糖尿病性腎症
糖尿病は進行することで臓器不全を起こします。腎臓もその一つで、腎臓が上手く働かなくなると
- 血圧の上昇
- 尿にたんぱくが混ざる
- 身体のむくみが起きる
などの症状が現れます。さらに腎臓が機能不全を起こすと、血中に老廃物が溜まってしまい、腎不全や尿毒症等の生命に関わる重篤な症状を引き起こしてしまいます。
なお、腎不全になってしまうと、人工透析を受ける必要が出てきます。実は透析を導入する原因の第1位は糖尿病性腎症なのです。
糖尿病性神経障害
神経に障害が発生し、身体の電気信号が素早く身体の隅々にまで伝達しづらくなる合併症です。
- 手足のしびれ
- 身体のほてり
- 節々の痛み
等が症状として現れます。また電気信号が鈍くなるということは、感覚が麻痺するということです。例えば足に傷があったとしてもそれに気付くことができずに足の潰瘍や壊疽を起こしてしまうようなこともあります。自覚することが難しい非常に怖い合併症です。
脳卒中
脳卒中にはいくつかのタイプがありますが、代表的なものは脳梗塞と脳出血です。脳の血管が詰まるタイプの代表が脳梗塞で、脳の血管が破れるタイプの代表が脳出血です。そのうち、糖尿病患者さんに多いのは脳梗塞です。手足の麻痺や言葉が急に出なくなる、物体が重なって見えるなどの症状がみられ、重症の場合は命に関わります。また、血管が完全に詰まっていなくても流れが悪くなるだけで
- 頭がひどく重い
- 物忘れが多い
- 怒りっぽくなる
というような症状が現れます。脳卒中は命に直結するだけではなく、手足の麻痺や言語障害というような生活に支障がでる程度の後遺症が残ってしまうこともある非常に危険な病気です。
心筋梗塞
心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る血管(冠動脈)の動脈硬化によって引き起こされる病気で、心臓の働きが著しく低下し、生命にかかわることがあります。糖尿病患者さんが心筋梗塞を起こす危険度は、健康な人の3倍以上とされています。
症状としては胸が強く締め付けられているような痛みがありますが、糖尿病の合併症としては明確な症状が発見できないことがあるため、心電図を使った検査を定期的に受けておくと安心です。また、息切れがひどい、脈拍が途切れる、身体がむくんでいるというような症状は、心筋梗塞の前触れのような症状ですので、注意が必要です。
[2) 日本糖尿病学会 編:糖尿病治療ガイド2012-2013 第1版, p.81, 文光堂, 2012]
末梢動脈性疾患
足の血管が動脈硬化により血流が悪化することで引き起こされてしまいます。足やふくらはぎが痛くなってしまい、運動ができなかったり休みを頻繁に取らないとある事ができない、というような症状が見られます。こうなると、運動ができなくなりますので、元々の糖尿病の改善も難しくなり、生活にも制限がかかってしまいます。最悪の場合は、足が潰瘍や壊疽を起こしてしまい、切断しないといけないこともあり得ます。
治療方法
糖尿病の治療の最たる目的は「インスリンの作用不足」を解消することです。インスリンが正常に作用することで血糖値を調整することができるためです。そのために行う治療は、
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
の3つを組み合わせます。まずは食事と運動から見直して、生活習慣の改善を狙っていきます。それだけで血糖の目標値に達することができればクリアですが、達しない時には追加で内服薬や注射を行うこととなります。投薬を始めたとしても食事療法と運動療法は継続します。そもそもの生活習慣が改善されない限り、根本の原因を排除出来たとは言えない為です。一度血糖が下がったからといって、油断をしてしまうとすぐに再発することがあるのが、糖尿病の厄介な所です。
当院の糖尿病検査方法
糖尿病を判定するために、一般的には尿検査と採血による血液検査を行います。これらの検査結果から糖尿病の判定を行います。さらに当院では、糖尿病の検査方法として専門の検査機器「糖尿病診療特別機器【The Lab 001】」を導入することで、さらに精度の高い糖尿病の検査を実現しております。The Lab 001には下記のような特徴がございます。
・検査結果が90秒でわかる!
・指先採血が可能!
・検査したその日のうちに療養指導を受けることもできます!
詳細については下記のURLから専用ページをご覧ください。
糖尿病が疑われる方は当院へ
糖尿病は症状が出てきてからでは、段階が進んだ状態である可能性が高いです。ここまでお読みになって普段の生活の中で思い当たる点があったり、遺伝的に糖尿病の可能性が高いと思われる方は一度当院での受診をお勧めいたします。医師が丁寧にご説明いたします。