患者様にあわせた大腸カメラプランを提案
当院は内視鏡専門医療機関として、国内トップクラスの検査環境を整えることを常に目指しています。充実した内視鏡検査の環境が整うことで、おひとりずつに合わせた内視鏡検査が可能となります。つまり『カスタマイズされた大腸カメラ』です。
当院の内視鏡検査は、患者様のご希望や身体的特徴、手術歴、併存症などの個別の背景因子に配慮をして検査のプランを組み上げます。
保険診療として行う内視鏡検査は『どこで受けても同じ』と思われる方が多くいらっしゃいますが、全くそのようなことはありません。
確かに、かかる費用はどこで受けても同じです。
それもあってなのでしょうか。検査の内容も同じだと思われがちです。
しかし内視鏡の検査環境には「充実度の差」が存在します。
検査の内容についての選択肢は、実は豊富にあるのです。
当院では『カスタマイズ大腸カメラ』として「個々の患者さんに寄り添う」という当院の内視鏡検査のコンセプトのことを表現しています。
カスタマイズする要素
具体的に列挙します。
内視鏡の太さ『太いor細い』
内視鏡検査を行う際に使用するスコープにはいくつかの種類があり、それぞれによってスコープの「太さ」が違います。
- 太いスコープの特徴:画質が非常に良い、硬さがある、小回りが利かない
- 細いスコープの特徴:画質は標準、柔らかい、小回りが利く
例えば「硬さ」について。
こんな方に内視鏡を行うときは「太い」スコープのほうがいいでしょう。標準体重をオーバーしている男性、さらに便秘も手術歴もないひとです。太くて硬さのあるスコープのほうが苦痛も少なく、さらには内視鏡を素早く最深部まで到達させることができるでしょう。
例えば、小柄で痩せ型の女性で腹部の手術歴もある方。こういった場合は迷わず「細い」スコープを選ぶべきです。柔らかく、小回りが利きますので癒着があったり、腸のカーブのキツイ部分があったりしても、腸管を傷つけるリスクが低くなります。
内視鏡の長さ『長いor短い』
内視鏡検査を行う際に使用するスコープには「長い」モデルが存在します。
- 長いスコープの特徴:長いこと、操作性が悪いこと
腸管の長さや太さは個人差が非常に大きいことはご存知ですか?
小柄であるから腸管も短いとは限りません。
腸管が太い人や長い人のなかには、通常の内視鏡の長さでは最深部まで到達することが難しいひとがいらっしゃいます。そういった場合は「長い」スコープの出番となることがあります。
〇下剤を飲む場所~その①~『院内or自宅』
大腸内視鏡検査を行う際には腸管を綺麗にするために下剤(腸管洗浄液)を服用する必要があります。この下剤についても、当院では「院内の個室で飲む」か「自宅で飲むか」を選択できます。
- 院内の個室で飲む:安心・安全、自宅からクリニックまで距離があっても問題なし
- ご自宅で飲む:完全なプライベート空間
ご存知ですか?大腸カメラ検査において、もっとも危険なのが前処置薬を内服しているときだという事実を。重篤な合併症は下剤(腸管洗浄薬)の内服中に起こる場合が多いのです。腸管に穴があく、虚血性腸炎を起こすなどです。
院内の個室で下剤の内服を行えば、トラブルがあったときもスタッフや医師が迅速に対応できます。
当院では、特に初回の大腸カメラの方にはクリニックで下剤(腸管洗浄薬)を飲むことをお勧めしています。大きなポリープやがんがある可能性が否定できないからです。手間を惜しまず安全に配慮しているため、と考えて頂ければ嬉しく思います。
以前に大腸カメラを受けたことがある方は、ご自宅での下剤内服で何の問題もありません。もちろん当院では、自宅での下剤(腸管洗浄液)内服にも対応しております。
初回の検査の方、遠方の方、下剤の服用に不安がある方などは院内で内服を。他人と接触せずゆっくりと自宅で飲みたい方は自宅でと、患者さんの状況とご要望に合わせて選択頂けます。
◯下剤を飲む場所~その②~ 院内の『トイレ付完全個室 or 半個室』
当院には「トイレつき完全個室」と「半個室」があります。
- トイレつき完全個室:医療事務員が対応、プライバシー重視、内視鏡室までは距離がある
- 半個室:看護師が対応、安全重視、トイレは別ではあるが個人専有トイレ
トイレ付完全個室は、当然ながらプライバシーは間違いなく確保されます。しかし数に限りがあります。9か所しかありません。
半個室では常に看護師が対応します。また部屋の構造上、完全個室に比べて急変時の対応が行いやすいメリットがあります。また内視鏡検査室からの距離も完全個室に比べて近いというのも良いところです。プライバシーも確保されています。
検査のリスク因子となる基礎疾患のある方など、常に看護師による対応の必要がある場合などには「トイレ付完全個室」ではなく、この半個室で対応します。
また検査を可能なかぎり早く終わらせて帰宅したいなどの時間重視の患者さんにも半個室をお勧めしています。
○下剤(腸管洗浄液)を『飲むor注入する』
当院では下剤を飲まない内視鏡も行っています。
※すべての患者さんに推奨しているわけではありません
詳細は下記ページを参照下さい。
https://www.sendai-naisikyou.jp/colon/#a04
◯医師の性別『女性or男性』
女性患者様にとって、特に肛門からスコープを挿入する大腸内視鏡検査においては、羞恥心から男性医師による検査に抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。当院では女性医師による内視鏡検査を実施しているため、このような精神的負荷も軽減できる環境を整えています。
女性医師の検査がご希望の場合は、事前診察の際にスタッフまでお申しつけ下さい。
◯鎮静剤の種類
アレルギーや基礎疾患、内服薬、年齢などによって使用する薬剤やその組み合わせを変えています。薬剤の選択は担当した医師が判断します。
◯鎮静剤の量『多いor少ない』
鎮静剤の効果には「個人差が大きい」ことが分かっています。
体格、元々内服している薬剤、日ごろのアルコールの量などが影響します。
「前に鎮静剤を使って内視鏡をしたのに、眠れなくて。すごくしんどかった」
こういった体験をお持ちの方が当院にはたくさん来院されます。
検査を行う際の鎮静剤は適量で使用すれば、ほとんどの患者様は眠った状態で検査を受けることができます。当院では患者さんの全身状態や意識状態、苦痛の程度に合わせて鎮静剤の量を随時コントロールしながら内視鏡を行っているからです。
また「内視鏡の間はずっと寝ていたい」や「ポリープを切除するときは見ていたい」などのご要望にも可能な限り対応します。
鎮静剤を調整しながら内視鏡を行っているため対応できるのです。
※鎮静剤の効果には「個人差が大きい」ため100%の確約は出来ません。
◯下剤(腸管洗浄液)の種類『多数あります!』
当院では下剤の種類も豊富に取り揃えております。それぞれ特徴が異なるため、患者さんのご希望をヒアリングした上で最も適切と考えられる下剤を選択し使用することができます。各種下剤の詳細については下記をご確認下さい。
◯以前の記録を基にカスタマイズ
以前に当院で大腸カメラ(胃カメラ)を受けたことのある方に対しては、より入念な準備をしています。
2回目以降の検査では、クリニックにある詳細な記録とご本人の感想が武器になります。
下剤を飲むのはどう感じたのか?腸管洗浄に使用した薬剤は変更しなくていいのか?十分な洗浄効果はあったのか?事前の準備は十分であったかorむしろ過剰ではなかったか?鎮静剤の効果は十分だったのか?or過剰ではなかったか?スコープの種類は妥当だったのか?……
カスタマイズの本領は検査の回数を重ねていくと、さらに発揮されるようになります。
事実を振り返り各要素を再考できるため、当然ながらカスタマイズの精度が上がります。
繰り返し検査を受けて頂くことで、カスタマイズの大きなメリットがさらに期待できるというわけです。
最後に
当院の大腸内視鏡検査は事前受診を必要としておりますので、まずは一度ご来院ください。来院時に当院のスタッフにご希望などをご遠慮なくお申し付けください。また場合によっては安全のため、患者さんの希望よりも医師の判断を優先する場合があります。ご了承下さい。