大腸内視鏡検査
概要
一般的には「大腸カメラ」と呼ばれることも多い「下部消化管内視鏡検査」のことです。
肛門からスコープを挿入し大腸を全て直接観察し、ポリープや大腸癌などの病気を診断することができます。
また内視鏡の先端から電気メスを出して大きなポリープや初期の大腸癌を切除する治療法も行われるようになっています。
大腸カメラはポリープや大腸癌を診断・治療するためにはなくてはならない医療機器の筆頭です。大腸カメラは以下の特徴が挙げられます。
- 大腸カメラは準備が大変
- 大腸内視鏡機器を奥まで到達させることが大変
- 大腸カメラを受けることが恥ずかしい場合がある
①準備が大変
大腸カメラ検査前は前処置薬(約1.5Lの下剤)により腸内を洗浄する必要があり、大変に感じられる方が多いですが
当院では専用の個室を用意し、院内で前処置薬を内服できます。
初めて内視鏡を内視鏡検査を受ける方や、遠方の方でも安全・安心できる環境を提供します。また前処置薬は味に独特の癖があり、人によってはどうしても内服できません。当院では「前処置薬を飲まない検査」を提供します。
全ての方にお勧めするわけではありませんが、実際に受けて頂いた患者さんには喜んで頂いています。
②内視鏡を苦痛なく深部大腸まで到達させることが難しい
腸管の長さや屈曲は大きな個人差があり、腹部の手術を行ったことがある方は癒着があることもあります。
(癒着とは本来はつながっていない臓器どうしがつながってしまうことです)
そのため、大腸カメラ検査時に痛みが出たり、奥まで到達が困難であったりすることがあるのです。
また医師の技量にも大きな違いがあるのも事実です。
当院では空気を極力いれないことや、その空気も二酸化炭素を送気にする、鎮静剤を適宜使用するなどの苦痛の少ない内視鏡への様々な配慮を行っています。
③大腸カメラは恥ずかしい
女性は特に、男性医師への気恥ずかしさがあって当然だと思います、逆もそうだと思います。
そのような思いを持たれている方への配慮して、当院では内視鏡検査に対応可能な女性医師および男性医師が在籍しています。
また、後述しますが女性専用検査日(レディースデー)、シャワールームの完備、
化粧直しが可能なパウダーゾーンの設置、合計14箇所の男女別のトイレ、男女別の更衣室など大腸カメラへの心理的抵抗を少なくするべく、院内施設にも様々な配慮を行いました。
当院の大腸カメラ検査の強み
当院の大腸カメラの強みは11点と多数あります。
- 無痛の大腸内視鏡を目指す配慮
- 鎮静剤を使用した大腸内視鏡
- 下剤を飲まない内視鏡
- 女性医師による大腸カメラ
- 女性専用検査日(レディースデー)
- 院内で前処置薬を内服
- パウダーゾーン・シャワー完備
- 拡大内視鏡による診断
- 日帰り大腸ポリープ切除
- 1日で胃カメラ・大腸カメラを両方提供
- 土曜日・日曜日の大腸カメラ検査・治療
- 下剤の種類は多数あり。患者様ごとに個別対応
順番に説明します。
強み①無痛の大腸内視鏡を目指す配慮
痛いといわれがちな大腸カメラ検査
当院では無痛大腸カメラ検査の実現を目指します
苦痛の少ない大腸内視鏡には、医師の経験や気遣いが最も重要です。
その気遣いにはリラックスできるような医師・看護師の声かけなどのソフト面も含まれます。また、気遣いには設備やテクニックなどのハード面もあります。・先端フードを用いて送気量を最小にすること
- CO2送気で検査中や検査後のおなかの張りを抑える
- 鎮静剤を使用するといったものです
仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは痛みの発生を極力抑えるために
先端フードを装着し、送気を最小限にすることで柔らかな状態を保った腸管を、
スコープで手前に手繰り寄せながら折りたたんでいき、腸が伸びないようにすることで
痛みが出にくい大腸カメラ検査を実現させます。
また、仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは内視鏡検査時の送気に空気ではなくCO2(二酸化炭素)を使用します。
CO2は窒素(空気の主成分)に比べて
腸管から約35倍の速さで吸収されるとのデータがあります。
送気をCO2にすることで検査中、検査後のおなかの張りを抑えることが出来るのです。
強み② 鎮静剤を使用した大腸カメラ検査
まるで寝ている状態で受けられる大腸カメラ検査
内視鏡検査が不安な方にオススメです
仙台消化器・内視鏡内科クリニックの鎮静剤を使用した内視鏡検査の利点、ズバリ不安や苦痛の軽減です。どのような検査でも、検査を受けることは患者さんにとって不安なものです。
それが大腸カメラともなると、不安や羞恥心を強く感じるかたもいらっしゃるでしょう。鎮静剤を使用することで、不安を和らげることが可能です。大腸カメラが初めての人
大腸カメラへの不安が強い人
以前の大腸内視鏡検査で強い痛みを経験したひと
腹部の手術を受けたことがあるひと
そのようなかたは鎮静剤の使用を推奨致します。
鎮静剤使用のデメリットに検査後は車の運転が出来ないことが挙げられますが
泉中央院も長町院も最寄り駅から徒歩1分に立地をしており、お車以外の交通の便が非常に良いのでご安心ください。
薬剤であるため一時的な血圧低下や呼吸の弱まりなど副作用の報告がありますが
※当院では医師、看護師が常勤しておりますので、体調を崩された際にはすぐに対応ができます。
鎮静剤使用が可能なクリニックや病院では8~9割の人が、鎮静剤の使用を希望すると言われています。確かに内視鏡検査は定期的にうける必要のある検査ですので、苦痛を極力抑えた検査であるべきだと思います。
しかし、実は一般的なクリニックや病院では鎮静剤の活用は一般的ではないのです。
理由は主に3つあります。
安全に鎮静剤を使用できる医師が限られている
鎮静剤を使用した内視鏡治療や内視鏡検査の経験が豊富に求められます。
鎮静剤の使用に不慣れで、経験の少ない医師による鎮静剤の使用はリスクがあるからです。
しかし仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは豊富な実績を持つ医師が内視鏡検査を担当致します。
②鎮静剤を使用するためには、余分にコストがかかる
血管に留置する針などの物品費やその作業を行う看護師の人件費などのコストが余分に発生します。
これらはクリニックの持ち出し費用となるため断念するクリニックが多いです。
しかし仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは、患者さんに苦痛の少ない内視鏡を受けて頂くためには、このコスト負担は当然自院が負担すべきであると考えています
③鎮静剤使用に対応した設備や、広さが必要
鎮静剤を使用した胃カメラや大腸カメラを受けて頂いた後は、しばらく院内で15分~1時間程度休んで頂く必要があります。
広さと賃料との兼ね合いで、クリニック内に検査後の人が休むための専用スペースの確保をすることが難しい場合もが多いです。
しかし仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは休憩用のベッドを院内に多数用意させていただいており、検査を受けられた全ての方が休憩可能となっております。
強み③ 下剤を飲まない大腸カメラ
2Lの下剤をもう飲まなくていい!?
国内でも珍しい下剤を飲まない内視鏡検査ができます
「大腸内視鏡より、あの2Lの前処置薬を飲むのが辛かった」
「まずくて飲めたものではない」このような話を大腸カメラ経験者からお聞きになったことがあると思います。前処置薬を内服できないかたや、内服に大きな不安を感じていらっしゃるかたには
当院では「下剤を飲まない大腸内視鏡検査」を提供しています。
手順としては、まずは胃カメラ検査を受けていただきます、その際に胃や十二指腸に前処置薬を注入してくるのです。このように直接体内に下剤を流し込むことで胃カメラ検査後、20-30分で排便が始まり、1時間から2時間後には大腸は綺麗になります。
ここからは通常通りの大腸内視鏡検査を受けて頂くという流れになります。
胃カメラと大腸カメラを同時にできるというメリットもあるわけです。
実際にうけて頂いた患者さんには非常に好評です。
※当クリニックではすべての患者さんにこの方法を推奨しているわけではありません。
ご希望される際には、来院時に担当医にご相談下さい。
強み④ 女性医師による大腸カメラ
大腸カメラ検査が恥ずかしい女性の皆様必見!
当院では女性医師による内視鏡検査を実施しています
大腸カメラを受けることが恥ずかしくて困っている女性に向けての提案です。
仙台消化器・内視鏡内科クリニックの副院長は女性医師であり、大腸内視鏡検査にも対応します。
大腸がんの撲滅には、少しでも大腸内視鏡検査への抵抗感を少なくすることが重要と考えて我々はクリニックを運営しています。
女性にも安心して大腸カメラを受けていただける最高の環境を今後も整えていきます。
ご希望をされる方はご遠慮無くお問い合わせください。
また女性医師による大腸カメラは月~金曜日(平日は毎日)で対応しています。
強み⑤ 女性専用検査日(レディースデー)
全ての女性患者様に快適な内視鏡検査を受けていただくために
検査を受けたい女性しかいない空間を用意しました
胃カメラや大腸カメラを受けることが恥ずかしくて困っている女性でも内視鏡検査を受けやすい環境づくりとして当院では
個室での洗浄剤内服やトイレやシャワーは完全に男女別、パウダーゾーン(お化粧直しの場所)の確保
などを行っています。そしてその中で最も女性に安心して大腸カメラや胃カメラを受けて頂くために行っているのが女性専用検査日(レディースデー)の設定です。毎週
泉中央院のみ、木曜日の検査・治療は女性限定です。(急患の患者は除きます)女性にも安心して胃カメラや大腸カメラを受けていただきたいという一心で女性専用検査日を設定しました。
がんの撲滅には、少しでも胃カメラや大腸カメラへの抵抗感を少なくすることが重要と考えて
我々はクリニックを運営しています。
※女性医師による大腸カメラは毎日実施しています。(平日のみ)
強み⑥ 院内で前処置薬を内服
院内で大腸カメラ検査前の前処置薬を飲むことができます
リラックスができる快適な個室をご用意致しました
大腸カメラ(下部消化管内視鏡)は前処置薬(約1.5Lの下剤)により腸内を洗浄する必要があります。前述しましたが、これが大変なのです。
当院では専用の個室が9-12か所もあり、院内で前処置薬を内服できます。
初めて内視鏡をうけるひとには不安があるはずです。
「上手に飲めるだろうか」「お腹が痛くなったらどうしよう」等々…
前処置薬を院内で内服することにより、医師・看護師によるアドバイスが可能です。
大腸カメラが初めてのひとにも安心・安全を提供できると思います。
また遠方の方は「病院に到着するまでにトイレに行きたくなったらどうしよう」という
不安があるでしょう。
先のトイレ付個室とは別に、当院には大腸カメラ検査用トイレがさらに男女別で合計6ヶ所もありますから、院内で前処置薬を内服すればトイレの心配もありません。
がんの撲滅に向けて1つでも多くの障壁を、どんな些細な不安でも解消できるようなクリニック環境を仙台消化器・内視鏡内科クリニックは目指しています。
強み⑦ パウダーゾーン・シャワー完備
内視鏡検査後に体が汚れても化粧が乱れても安心!
是非パウダーゾーン、シャワールームをご活用ください
当然ですが、大腸内視鏡検査の際にはおしりが汚れます。
一般の病院では紙やガーゼでふき取り、帰宅して頂きます。それで十分な方も多いとは思いますが、「できればシャワーがあればいいのにな」と感じている方も少なくないと思います。
少なくとも院長はそう感じているようです。
当院には男女別、それぞれにシャワーブースを用意しています。
また検査のあとに
「少しお化粧が直せるところがあればな」
「乱れた髪を直したいな」と思うのは当然ではないでしょうか。
当院には男女別、それぞれにパウダースペース(化粧直しの場所)を用意しています。
がんを撲滅するために、内視鏡クリニックは全ての方に快適な環境でなければいけないと考えています。1つでも多くの「不快や不安」を「心地よさ」に変えていき、大腸カメラへの抵抗感を減らしていくことを当院では目指しています。
強み⑧ 拡大内視鏡による診断
どんなに小さな癌も見逃さない!
最新の拡大内視鏡により高精度な診断を行います
仙台消化器・内視鏡内科クリニックの大腸カメラ検査では拡大内視鏡を標準装備しており非常に精度の高い検査結果をもたらすことができます。この精度の高い診断方法を駆使して初めて、
目の前のポリープに適切な治療を行えるわけです。
- 大腸の腺腫の通常観察
- 拡大観察で表面の構造を確認する
- 表面の構造から「腺腫」という良性腫瘍と診断
強み⑨ 日帰り大腸ポリープ切除
大腸がんのもととなるポリープが発見された場合
可能な限りその場で切除、日帰り対応ができます
多くのクリニックや病院では、まずは大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を行います。
ポリープがあった際には後日、再び腸管洗浄剤を内服して
大腸カメラを挿入し、ポリープを切除します。しかし上記のスケジュールでは少なくとも2回の腸管洗浄剤の内服が必要なのです。
院長も洗浄剤は飲んだことがあり、あの辛さは十分に理解してるようです。仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を行った際に
ポリープが見つかれば、その場で切除が可能です。
注意点です。
大腸ポリープの種類は多数あり、全てが切除を必要としているわけではありません。
前述の拡大内視鏡での診断を用いて、精度の高い診断を行いながら切除の必要性について判断します。
■抗血小板薬や抗凝固薬を内服中の方
■ポリープが非常に多数存在する方
■大きなポリープが見つかった方
などは入院での切除が安全ですので、連携病院への紹介を行います。
大腸ポリープ切除の実際の動画はこちらです。
強み⑩ 1日で胃カメラ・大腸カメラを両方提供
胃カメラも大腸カメラもまとめて同日検査可能!
検査を受ける日数を減らして負担を軽減
お仕事が忙しく、検査を受ける時間がとれない働く世代にこそ
内視鏡検査を受けて頂くことが大切だと考えています。
当院では1日で胃カメラと大腸カメラを行うことが可能です。
強み⑪ 土曜日・日曜日の大腸カメラ検査・治療
東北でも珍しい土日に内視鏡検査ができるクリニック!
平日に時間が取れない方は是非当院をご活用ください
働く世代、平日に時間がない方々にいかにスムーズに検査を受けて頂くのか。
胃がんや大腸がんを撲滅するうえでは、ここが非常に重要だと考えています。完全予約制で土曜日・日曜日にも
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
日帰り大腸ポリープ切除術
を仙台消化器・内視鏡内科クリニックでは行っています。
※日曜日営業は泉中央院のみ
⑫下剤の選択肢は多数あり。患者様ごとに個別対応
大腸カメラを実施する際には下剤を事前に服用し、腸の中を綺麗にする必要があります。しかし、この下剤は「まずい」「量が多い」などのストレスを患者様に与えてしまう可能性があります。
そこで当院では検査前に服用する下剤の種類を豊富に用意し、医師と患者様が相談をしたうえで、患者様にとって一番適切な下剤を飲めるように配慮をしております。詳細は下記よりご確認ください。
豊富な種類の下剤が飲める
大腸内視鏡検査の流れ
Step1検査までに
~ポイント~
- 検査を受ける前にまずは一回受診する
大腸内視鏡は事前に受診をして頂くことにしています。
大腸カメラ検査を安全に受けられる状態なのか、まずは医師が診療して判断します。大腸カメラを希望される方は、必ず外来受診の予約を取得して下さい。webでの受診予約が便利です。
糖尿病薬を内服されている方、インスリンを使用している方は受診時に必ず申告をお願いします。内視鏡検査の前日や検査当日は「お薬の内服について」や「インスリンの使用方法について」はクリニックから別途指示をすることがあります。
お薬手帳をお持ちの方は、必ずご持参し受付でスタッフにお渡し下さい。
鎮静剤の使用を希望される方は、検査後は車の運転は出来ませんので、相応の準備をお願いします。
また、非常に強い腹痛や大量の下血などの緊急治療を要すると思われる方はweb予約や電話予約は出来ませんので近隣の救急病院を受診して下さい。
Step2検査の前日
~ポイント~
- 検査食を購入して、指示通りに食べる
- 寝る前に下剤を飲む大腸内視鏡専用の食事を摂って頂きます。受診時に購入して下さい。また前日の寝る前には指定の下剤を内服しましょう。
Step3検査の当日
~ポイント~
- 下剤を飲み、腸の中を綺麗にする
①自宅で前処置薬を内服される方は、事前の指示に従いましょう。腸管の洗浄が完了したら、クリニックに連絡し、そののちに来院していただきます。
②院内の前処置内服専用スペースでの内服を予約された方は朝の指定時間に来院して頂きます。
そして院内の専用ブースで腸管洗浄剤を内服しましょう。 院内には医師や看護師がいるため、最も安全・安心な状態で前処置を行う ことが出来ます。
特に初めて大腸カメラを受ける方、遠方から来院される方にはお勧めしています。
③下剤(前処置薬)を飲まない内視鏡を希望される方は別途指示があります。
実際の大腸内視鏡検査の流れ
- 鎮静剤の投与を希望される方は、まずは注射用の針を腕の血管に留置します。
- 内視鏡室に入って頂き、身体の左側面をベッドにつけて横向きになります。
- 肛門に麻酔ゼリーを塗って検査開始です。鎮静剤の使用を希望される場合は、ここで薬剤を投与します。
- 検査時間は5分から15分ほどです。
- 大腸内視鏡検査中に切除可能な大腸ポリープがあった際には切除も可能です。
- 鎮静剤を使用した方はリカバリーで休んで頂きます。
使用した薬剤により安静時間は異なります。
最短で10分程度、薬剤によっては30-60分ほど休んで頂くこともあります。
大腸内視鏡の検査の後は
~ポイント~
- シャワーを浴びれます、お化粧を治せます
- 鎮静剤を使用した場合はお車の運転ができません
- 検査後に医師からの検査結果説明があります
検査の後は、パウダーゾーンでのお化粧直しも可能ですし、シャワールームも使用して頂いて構いません。その後は実際の検査画像をお見せしながら、医師から説明があります。
組織検査や日帰り大腸ポリープ切除を行った場合は後日、結果説明のために再度来院していただきます。
病理組織検査結果の説明はオンライン診療(遠隔診療)でも対応します。
オンライン診療は通院の手間が省けて負担を減らすことができます。是非積極的にご活用ください。
自分専用のトイレで下剤
院内で下剤服用を推奨しております
大腸カメラ検査を行う際に一番大変なことはやはり下剤の服用です。検査の前に約1.5Lの下剤を飲まなければいけないわけですから得意だといえる方はいないでしょう。実際に下剤を飲むにあたって不安を持たれる方は多いです。
- 飲み方がよくわからない
- 下剤を飲んでいるけど腸が綺麗になっているかわからない
- 病院への移動中に便意がきたらどうしよう
- 家族がいるところで下剤を飲むのが恥ずかしい
このような不安のために大腸カメラ検査の受診を躊躇されてしまう方がいらっしゃるのも事実です。そこで当院では院内での下剤服用を推奨しており、より多くの方に大腸カメラ検査を受けやすい環境を用意しております。
そして、2019年7月に当院ではこの機能をより強化するために、ANNEXを増設しました。
ANNEXとは
ANNEXとは仙台消化器・内視鏡内科クリニック 泉中央院に2019年7月に新しく増築された自分専用トイレが付属された下剤服用専用の完全個室スペースです。
従来の当院では院内で下剤を服用していただく際には他の患者様と共同のトイレを使用していただいておりましたが、ANNEXを活用していただく場合には自分専用の個室・自分専用のトイレを使用していただくことが可能です
自分専用下剤スペース「ANNEX」のメリット
- 困ったら医療従事者にすぐに相談ができる
ANNEXには常に当院のスタッフが待機しており、下剤服用についてわからないことがあればいつでも質問ができます。- 下剤の飲み方がわからない
- 排便が順調なのかわからない
- 体調が悪くなってきた
- 完全プライベート空間でノンストレスに過ごせる
他の人が使わない自分専用のトイレが用意されているので、周りの目を気にすることなく自分の好きなタイミングで排便が可能です。また、トイレの中にはスタッフ呼び出しボタンもついておりますので、他の人に聞かれたくないことがあればご遠慮なくご活用ください。 - 下剤を飲み切ったあとに移動をしなくて済む
下剤をご自宅で服用された場合は、下剤を飲み切った後に医療機関まで移動をしなければいけません。しかし、その際に失禁や腹痛を引き起こしてしまう方が稀にいらっしゃいます。
そこで、院内で下剤を服用していただくことができれば、服用後すぐに内視鏡検査を実施することができるため、体への負担や移動の際の不安を持つ必要がなくなります。
ANNEXについて諸注意
- 数に限りがありますので当日の混雑状況によっては使用ができない可能性があります
- ANNEXの使用については追加費用が一切発生しませんのでご安心ください
下剤を飲まない大腸カメラ
国内でも珍しい下剤を飲まなくていい大腸カメラ検査
2ℓの下剤の服用でもう苦しまなくて大丈夫です。
大腸カメラを受けるのに下剤を飲まなくても良いってほんと?
- 大腸カメラ検査前の下剤を飲むのがつらい
- 下剤の量が多すぎて大変、味がまずい
- 大腸カメラにかかる所要時間が長すぎる
- 下剤の飲み方がよくわからない
こんな思いをお持ちの方はいらっしゃいませんか?。大腸カメラ検査を受けられた方は、前処置にあたる2Lもの大量の下剤を飲むという経験を通して、上記のような思いを抱かれている方が多くいらっしゃいます。「下剤を飲む」という行為を避けるためだけに大腸カメラ検査を受けない選択肢を選ばれる方も多くいるほどです。
しかし、大腸カメラ検査を受けるには、下剤を服用して腸内を綺麗にすることは避けては通れない道です。
そこで、当院では下剤を飲まなくても良い大腸カメラ検査を積極的に推奨しております。下剤を口から飲むのではなく、胃カメラ検査の際に直接腸内に下剤を流し込むことで、下剤を飲まない大腸カメラ検査を実現させることができました。
この方法で大腸カメラを受けられる内視鏡クリニックは国内ではまだほとんどなく、内視鏡検査における先進的な技術であると自負しています。そのため「一度大腸カメラを受けてみたけど、つらかったからもう受けたくないな」と感じられている方にこそ是非受けていただきたい検査です。
内視鏡検査を生涯に渡って定期的に受けたいただくためにも、内視鏡検査への抵抗感をなくしていくことを当院では心がけています。
下剤を飲まない大腸カメラ検査のメリット
1、下剤を一滴も口から飲まずに済み、身体への負担が激減
下剤を直接腸に流し込む場合は、下剤により前処置が効率的に完了します。胃や食道を通らずに全ての下剤が腸に一度に流し込まれるからです。そのため、排便の回数は2~4回程度に収まり、腸や肛門に対する負担は軽減されます(通常の排便は5回以上です)。楽に安心して大腸カメラを受けられたい方に是非受けていただきたい検査方法です。
味覚に関していえば、下剤を口から飲むことがないため「まずい」と言われている下剤の味を感じることは一切ありません。
2下剤による前処置が完了するまでの時間が大幅に減る
前処置が体内で効率的に処理されるため、当然排便に要する時間は減ります。通常は2~4時間かかるといわれている前処置が1~2時間程度まで減ることができ、内視鏡検査にかける時間を大きく減らすことができます。
身体的にも、時間的にも患者様の負担を減らすことができる画期的な検査方法です。
3胃カメラ検査のついでに大腸カメラ検査を受けられる
胃カメラ検査を受けた際のついでに大腸カメラを手軽に受けることができるようになり、一日にまとめて胃癌と大腸癌の早期発見をすることができます(※大腸カメラ検査のみで当検査方法を実施することはできません)。
両方の検査を合わせても半日程度で全ての検査が完了する見込みになりますので、是非両方の検査を実施していただきたいです。内視鏡検査は定期的に受けていただくことで、癌の早期発見という本来の価値を大きく見出すことができます。
下剤を飲まない大腸カメラ検査の注意点
胃カメラ・大腸カメラともに、保険診療で対応が可能な状況でない場合は、全額自費の検査になります。
当院ではすべての方に「注入法」を推奨しているわけではありません。実際に行うかどうかは担当医の判断となります。注入法がご希望の際には、受診時に担当医へ直接ご相談下さい。
大腸ポリープ日帰り切除
癌のもととなるポリープはその場で日帰り切除
早めの治療が大腸がんを防ぎます
治療の流れ
大腸内視鏡検査の際に、同時にポリープの切除を行います。 しかしながら
- 切除すべきポリープが多数ある場合
- 2-3㎝以上のポリープが見つかった場合
- 持病があり、抗血小板薬や抗凝固薬などを内服している場合
上記のような場合は入院での切除が望ましいため、高次医療機関への紹介とします。
大腸ポリープ切除の実際
- ポリープの下に生理食塩水を注入します。
- 注入で盛り上がった、正常粘膜にスネア(輪状の電気メス)をかけます。
- 通電を行いながら、スネアを絞り上げて切除します。
大腸ポリープの切除では、痛みを感じないことがほとんどです。
※大腸ポリープ切除の動画です
切除を受けた際の注意点
出血のリスクがあります。
おおよそ100~1000人に1人程度です。
切除の当日から7-10日間は飲酒や、心臓がドキドキするような激しい運動、
長時間の入浴などは控えて下さい。
出血のリスクを上昇させる要因としては
高血圧の方、腎機能が悪い方、心疾患をお持ちの方、ご高齢の方であること、
切除したポリープが1㎝以上の場合などです。
排便時にトイレットペーパーに血が付着した程度であれば問題ありませんが、
便器が真っ赤になるような出血があった際には、当院へご連絡下さい。
関連する症状・疾患
下痢(嘔吐下痢)
便秘
血便
しぶり腹
腹部膨満感
体重減少
腹痛
大腸ポリープ ~診断と治療の注意点~
ここでお伝えしたいのは3点です。
①ポリープには癌が含まれること
②正確な診断をするには、知識と経験、性能のよいスコープが必要なこと
③種類が多いため、正確な診断に基づいて治療を行う必要があること
ポリープとは「キノコ状に膨れているもの」全般を言います。
「あれ?腫瘍だけではないの?」と思われた方は鋭いですね。
上記が定義ですので、ポリープと言っても様々な種類があるのです。(図)
まずは「上皮性(粘膜由来のもの)」と「非上皮性(粘膜以外を由来とするもの)」
に分けられます。
一般的に内視鏡治療の良い適応になるのは上皮性のポリープです。
上皮性ポリープは「腫瘍性」と「非腫瘍性」に分かれます。
腫瘍性ポリープには「腺腫」や「SSA/P」、「癌」などがあります。
非腫瘍性ポリープには「過形成」や「炎症性」「過誤腫性」などのポリープがあります。
その他、ポリープには多数の種類があります。
大腸ポリープ診療ガイドライン2014には38種類のポリープが列挙されています。
これらの診断には
ポリープの形態や表面性状、色調、硬さ、はもちろんのこと
前述のpit patternも参考に行っていきます。
「これは形態やpit patternからは腺腫だ」
「6mm以下ではあるが、陥凹しているので癌の含まれる頻度が高い」
「では、内視鏡切除を行おう」
上記のように、その場で瞬時に診断を行い、治療につなげる必要があるのです。
「これは10mmしかサイズが無いけれども形態やpit patternからは癌の可能性が高いな」
「しかも深く根を張っている可能性がありそうだ」
「内視鏡的粘膜切除術では不十分な治療になるかもしれない」
「組織検査を行うと、今後の診断や治療に差し障る可能性があるな」
「今日は観察だけにして、高次医療機関に紹介にしよう」
などの適切な判断も、正確な診断に依存します。
大腸ポリープと大腸がん
腺腫のうちに切除をしておけば、「将来の大腸癌を予防できる」可能性が高いのです。
adenoma-carcinoma sequence説というものがあります。
「大腸がんは腺腫を介して発がんする」という説です。
正常粘膜から癌に至るまでに多段階的に遺伝子変異が起こっています。
それぞれ、APC遺伝子は正常粘膜から腺腫、KRAS遺伝子は腺腫のグレードアップ、
p53遺伝子は最終的に腺腫の癌化にそれぞれ関与していると考えられています。(図)
現在では上記のルートが大腸癌への主ルートであることにはおおよその理解が得られています。
実際に腺腫はサイズが大きくなると、内部に癌が含まれる可能性があがることが分かっています。
Gschwantlerらの報告によると5mm未満のサイズで3.4%、5-10mmで13.5%、10mm以上で38.5%のhigh grade dysplasiaがみられたと報告されています。
(Gsschwantler M,Kriwanek S, Langner E,et al.High-grade dysplasia and invasive
carcinoma in colorectal adennomas: a multivariate analysis of the impact of
adenoma and patient characteristics. Eur J Gastroenterol Hepatol 2002;14:183-188)
ちなみに日本でいう粘膜内癌(初期の癌)は欧米ではhigh grade dysplasiaとして記載されることが多いです。
ですので、腺腫性ポリープのうちに切除をしておけば大腸癌を予防できる可能性が
高いというわけです。
しかし100%予防というわけではありません。
de novo癌と呼ばれるものがあります。
正常粘膜から直接発生する癌のことです。
またこの癌は早期に浸潤を始め、悪性度の高いことも特徴と言われています。
実際の進行がんを見て、de novo癌だと診断することは困難なため
大腸癌全体に占めるde novo癌の割合は正確には分かっていません。
しかし、現時点では大腸がんの大部分は前述のadenoma-carcinoma sequence説ルートであると考えられています。
やはり、将来の大腸癌に備えて大腸カメラを受けておき、
大腸にポリープが発見された際には、適切なタイミングで切除することは重要と言えます。
大腸がん
大腸に発生した上皮性の悪性腫瘍のことをいいます。
癌の部位別死亡率で、女性においては不動の1位です。
「進行がん」「早期がん」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
粘膜から発生した癌が、深い層へと染み入るように進行し(浸潤といいます)、
筋層まで到達すると「進行がん」と呼ばれるようになります。
この分類法は胃がんなどと同様です。
大腸がんは、一般的には検診(便潜血の陽性反応)を契機にして精密検査を行い、
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を行うことで診断が確定します。
人間ドックなどで測定する腫瘍マーカー(CEAなど)は、進行がんでも半数程度にしか上昇は認めら
れず、大腸がんの早期発見にはつながらないことが分かっています。
大腸癌の治療です。
早期大腸がんは内視鏡治療を選択することが多くなってます。
また進行がんで、なおかつ切除が可能な範囲に限定した転移であれば
大腸がんのリスク因子について
大腸がんのリスクを上昇させる因子はいくつか知られています。
生活習慣などでは、肥満や高身長でリスクがあがります。喫煙もそうですね。
食生活では、飲酒や赤身肉(牛・豚・羊など)の摂取などです。
また一時期話題にもなりましたが
加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)の摂取もリスクを上昇させると報告されています。
大腸がんのリスクを低下させる因子もあります。
運動習慣は確実なリスク低下因子とされています。
食事ではカルシウム、牛乳、ニンニク、また食物繊維の摂取は大腸癌リスクを低下させることが確実視されています。
しかしながら、最もお勧めは「検診」をきちんと受けること、です。
また40歳を目安に人間ドックで大腸カメラを受けることもお勧めできます。
大腸がん検診 ~日本と世界~
世界では、大腸癌で死亡するひとは全ての癌での死亡者のうちの8.5%(4位)を占めます。大腸がんは世界的にみても、非常に重要な疾患であると言えます。
そのため世界中で様々な対策が行われている癌なのです。
近年、大腸がんの死亡率を半分にすることに成功した国があります。
アメリカです。
アメリカでの大腸癌の死亡率はピークから約50%も減少しています。
これは恐るべき数字だと思います。
また罹患数(大腸がんになるひと)も著明に減少しているのです。
それに比べて日本などでは、1990年代から僅かながら、減少傾向にある程度です。
「アメリカの医者は手術が上手だから」
「抗がん剤治療が進んでいるから」
「日本人は存在しない、先進医療があるのでは?」
などと思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、違います。
診断されてから5年後の、年齢調整生存率の報告をみると
日本は64.4%であるのに対して、アメリカは64.7%とほとんど違いがありません
(2005-2009年診断群)。
検診システムの違いが、この大きな違いを生んでいると推測されています。
アメリカの国内でも、検診受診率が高い東海岸や西海岸で死亡率の低下が顕著なのです。
アメリカでは大腸内視鏡(大腸カメラ)による大腸がん検診が普及しはじめています。
2000年には19%であった大腸カメラによる検診は、2010年には55%と大幅に増加しました。
また2010年のオバマケアによって大腸内視鏡(大腸カメラ)による検診はすべての保険者へ無料化が促進されました。
アメリカでの成功事例を見ると、「検診システム設計の重要性」を再認識されられます。
日本で行われている便潜血法による検診も素晴らしいものではありますが、
その限界点などは認識しておく必要があります。
現時点では、大腸カメラ(大腸内視鏡)をオプションで用意している人間ドックなどを
上手に活用する必要があると考えています。
当院では人間ドックとしての、胃カメラ(上部消化管内視鏡)・大腸カメラ(下部消化管内視鏡)も行います。興味のある方は、ご相談下さい。
潰瘍性大腸炎
クローン病
急性腸炎(感染性腸炎)
ノロウィルス
ロタウィルス
食中毒
腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)
大腸憩室
憩室出血
憩室炎
虚血性腸炎
過敏性腸症候群
腸閉塞
大腸カメラの料金
大腸カメラ料金表
大腸カメラ内視鏡検査料金は下記の表をご参照ください。詳細な金額の内訳などを確認されたい方はご遠慮無くお問い合わせください。
※基本的に大腸カメラ内視鏡検査は保険適用で実施することができます
※下記の表は参考金額です。実際の診療内容によって金額は変動致します
検査(治療)内容 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|
大腸カメラ検査のみ | 約2,500円 | 約4,500円 | 約6,500円 |
大腸カメラ検査 病理組織検査 |
約4,000円 | 約7,500円 | 約11,000円 |
大腸ポリープ切除 (1箇所) |
約9,500円 | 約19,000円 | 約28,000円 |
大腸ポリープ切除 (2箇所) |
約10,000円 | 約20,500円 | 約30,500円 |
大腸ポリープ切除 (3箇所) |
約11,000円 | 約22,000円 | 約33,000円 |
よくある質問:大腸カメラ
大腸内視鏡検査は保険が適用されますか?
大腸内視鏡検査は基本的には保険が適用されます(医師が大腸内視鏡検査の必要性はないと判断した上で患者様が希望をして大腸内視鏡検査を実施する場合は自費になります。)
保険適用をされた大腸内視鏡検査の金額は料金表をご確認ください。
体調が悪いのですが、大腸内視鏡検査は受けられますか?
大きく体調を崩されている場合は大腸内視鏡検査の実施はお勧めできませんが、症状の軽い風邪や少しの発熱程度であれば問題はありません。
最終的に大腸内視鏡検査を実施してもよいかどうかは、当院の医師・看護師が判断致しますので、大腸内視鏡検査を受けられる前には、心身ともに不安なことをスタッフにお伝え下さい。
授乳中ですが、大腸内視鏡検査は受けられますか?
授乳中でも内視鏡件を行うことは可能です。しかし搾乳については使用する鎮静剤によりタイミングを変える必要があります。授乳中の方は大腸カメラの事前診察時に医師や看護師に、授乳中であることをしっかり伝えて下さい。
妊娠中ですが、大腸内視鏡検査は受けられますか?
妊娠されている場合は一般的に大腸内視鏡検査の実施はお勧めできません。妊娠中の方への大腸カメラ検査は当院では対応していませんので、産科の主治医の先生と相談してみて下さい。
大腸内視鏡検査はの費用が知りたいです。
大腸内視鏡検査の料金に関しては料金表をご参照ください。
基本的に大腸内視鏡検査は保険が適用されますので、3割負担の金額で大腸内視鏡検査を受けていただくことが可能です。
大腸内視鏡検査後の生活で何か制限はありますか?
鎮静剤を活用した大腸内視鏡検査(つらくない大腸内視鏡検査)を実施した場合は、検査日(検査終了後)はお車の運転ができなくなります。
また、脱水症状を起こす場合がありますので、こまめに水分補給を行うようにしてください。
病理検査の結果を電話やメールで確認することは出来ますか?
当院ではお電話やメールでの検査結果の説明は行っておりません。
なお、オンライン診療による診察や検査結果の説明には対応しております。遠方の方やお忙しい方はオンライン診療をご利用下さい。
痛みを感じることなく大腸内視鏡検査を受けられるのは本当ですか?
大腸内視鏡検査時の感覚にはもちろん個人差はありますが、鎮静剤を使用することで、眠っているのに近い状態で大腸カメラ検査を行うことができます。
また、大腸内視鏡検査時の苦痛は、検査を担当する内視鏡医の技量にもに大きく影響されます。当院の内視鏡医は大腸内視鏡検査の実績が非常に豊富な上、極力痛みを感じさせないように大腸カメラ検査を受けて頂くように様々な配慮をしております。
ポリープを切除するとき、痛みを感じるますか?
ポリープ切除のときには痛みは感じません。
ポリープ切除の際に電気メスで切る部分は「粘膜層」と「粘膜下層」です。この部分には痛みを感じとる神経は存在していません。そのため痛みを感じることはないのです。
どんなときに大腸内視鏡検査を受けたほうが良いですか?
大腸内視鏡検査は大腸がんを早期発見することを目的とした検査です。そのため、大腸がんの早期発見、予防を希望される方には是非大腸内視鏡検査を受けていただきたいです。
また、お腹の調子が悪かったり、便の様子がいつもと違う場合は、大腸に何かしらのトラブルが発生している場合があります。その際にも是非大腸内視鏡検査を実施していただき、原因究明ができればと思います。
以前の大腸カメラ、つらくて途中であきらめました。大腸カメラは可能でしょうか?
まずはご来院ください。医師にそのときの状況や、今までかかった病気などをお伝え頂きます。診察も行いクリニックで検査を行うのか、総合的に判断します。ほとんどのケースでつらい思いをせずに内視鏡検査を完遂できます。しかし、腹部手術の経験があり腸管の癒着が高度な場合や、大腸憩室により腸管が非常に細くなっている場合などは当院でも大腸カメラでの検査を断念せざるを得ない場合があります。その際には代替の検査が可能な医療機関への紹介を行います。
認知機能の低下しているひとに対しては、大腸カメラは行っていますか?
認知症をお持ちのかたへの大腸カメラは、当院では行っていません。前処置薬の内服は大変です。ご家族のサポートや看護師の応援があっても、ご自身で「よし、飲もう」という決意がないと、なかなか飲み切れるものではないと思います。
車いすのひとには、大腸カメラは行っていますか?
上記に該当する方の大腸カメラは、対応しておりません。クリニックの医療資源(設備や人材)は総合病院に比べれば限りがあります。現在の当クリニックの体制では車いすの方や介護度が高い方には安全・安心な医療が提供しきれないのではと考えています。ご了承下さい。
膝に人工関節を入れています。大腸ポリープは日帰りで切除ができますか?
股関節や膝関節を人工関節に置換されている方も安全にポリープを切除することが可能です。骨折などにより金属プレートが入っている方も同様です。
宗教上の理由により輸血ができません。ポリープ切除は行えますか?
信仰上の理由による輸血が出来ない方へのポリープ切除術は、当院では行っておりません。ほとんどの場合、ポリープ切除は一刻を争う緊急手術ではありません。入院の可能な医療機関での切除をお勧めしています。なお、大腸カメラについては対応しております。
大腸内視鏡検査を受けるときの服装で注意することはありますか?
大腸カメラ検査を実施する場合はお着替えをしていただく必要がございますので、着替えやすい服装で来院されることを推奨致します。
大腸内視鏡検査を受けるとき、なにか持参するものはありますか?
【①水かお茶(500mlのペットボトル3本)】【②スリッパ】【③イヤホン(TV使用希望の方)】【④カーディガンなど羽織れるもの】【⑤ボディーソープやせっけんなどのシャワー時のアメニティ】
詳細は検査前の受診時に説明いたします。①は前処置薬(下剤)と合わせて飲んで頂くためのものです。②および③は簡易的で安価なものをクリニックでも販売はしております。④についてです。前処置薬の内服は思った以上に体が冷えます。クリニックからブランケットなども貸し出しはおこないますが、女性は特にご自身でもなにか羽織れるものをご持参いただくことをお勧めします。⑤検査後にシャワーの利用を希望される方はボディソープなどはご持参ください。バスタオル・タオルについては無料で貸し出しいたします。
次回はいつ大腸内視鏡検査を受ければ良いですか?
大腸内視鏡検査を実施し、大腸の中の状態を医師が確認した上で、次回の(推奨)検査日を医師が患者様にお伝えします。
特に異常がなければ、3年後に次回検査を受けていただくことが多いです。
便秘・下痢でも大腸内視鏡検査は受けたほうが良いですか?
便秘や下痢は大腸の調子が悪い証拠です。便秘や下痢が治らず長期間続く場合は大腸カメラ検査を受けていただき、大腸の様子を確認する必要があります。
クリニックにはどうやっていけば良いですか?
当院は仙台市の泉中央駅徒歩1分の位置にあるため、電車やバスで来院される方が多いです。また、駐車場ビル内に当院は建てられているため、お車で来院をされても駐車場に困ることはありません。
一点ご注意していただきたいことがります。大腸内視鏡検査を受けられる方で鎮静剤の使用を希望される方は、終日お車の運転ができなくなりますのでお気をつけください。鎮静剤の使用を希望される方は電車で来院をされるようにしてください。
大腸カメラの人間ドックは前診が必要ですか?
当院では前診を必須とさせていただいております。
経鼻内視鏡検査で下剤注入をすることは可能でしょうか?
当院では対応しておりません。
生理期間と大腸カメラの予約日時が被ってしまいそうなのですが、どうすれば良いでしょうか?
ナプキンをご用意いただければ基本的には問題ありません(タンポンは必要ありません)。どうしても心配な方は大腸カメラ予約日時の変更希望のご連絡を当院までしてください。
他院では前診がなかったが、当院ではなぜ大腸カメラの前診があるのですか?
当院では、患者さんの負担を軽減させるため「ポリープがあったときは、後日もう一度大腸カメラ」よりも、TCSの際にポリープがあれば可能な限り同日の切除を行っています。検査時にポリープ切除の可能性があるため 事前に血液検査を必須にしています。 また大腸内視鏡検査をスムーズに行うため、前日の「検査食」も 摂取して頂いています。
前診から実際の大腸カメラまでの期間に限度がありますか?
前診から大腸カメラまでは「3ヶ月以内」にして下さい。前診では、腹部のレントゲンや血液検査を行います。腹部レントゲンでは安全に前処置薬が飲むことができるのかを判断します。血液検査では安全にポリープ切除が可能であるかを判断します。前診でのデータが有効だと思われるのは3ヶ月が限度であると考えています。
骨折で金属プレートが入っているがEMRは可能ですか?
可能です
よくある質問:大腸カメラの下剤について
下剤を飲んだらお腹を下してしまい何度も排便に行き大変です。このまま続けて飲まなければなりませんか?
下剤を半量に減らして飲んでください
下剤を飲まなくて良い内視鏡検査があるのは本当ですか?
大腸カメラ検査では、基本的に2Lの下剤を服用する必要がありますが、当院では希望をされる方に限定をして、下剤を飲まなくても良い大腸カメラ検査を実施しております。「注入法」と呼ばれる方法です。詳細は下剤を飲まない内視鏡検査をご参照ください。
下剤を飲まなくて良い大腸内視鏡検査を受けられないひとっていますか?
「胃カメラを保険診療で行う理由が見当たらない方」は「下剤を飲まなくて良い大腸内視鏡検査」は保険診療では行うことができません。ちなみに胃の症状がある方や、ポリープや逆流性食道炎、ピロリ菌の除菌後などの病気が以前に指摘された方は、保険診療での胃カメラが可能です。ここの点は受診時に医師に相談下さい。また後述の方については「下剤を飲まなくて良い大腸内視鏡検査」をお断りする場合があります。ご高齢の方、心臓などに基礎疾患をお持ちの方、高度な肥満の方、便秘がひどい方などです。
一週間後に大腸カメラを控えており、下剤(錠剤)を飲み始めましたが、便が大量に出ます。自分で下剤の量を調整しても良いでしょうか?
ご自分の判断で調整いただいて構いません。検査前日まで、しっかり毎日排便がある状況が理想です。そして便が柔らか目の状態で検査の日を迎えると、当日の腸管洗浄液(下剤)の量は抑えることができるでしょう。事前のしっかりした排便コントロールは検査を楽に受けることにつながります。
モビプレップをビジクリア(錠剤)に変更したいのですが、可能でしょうか?
可能です。その場合はお水かお茶を2L飲んでいただく必要があります。
ビジクリアに変更した場合、前日センノサイドは変わらず服用しますか?
センノサイドは変わらず服用してください
センノサイドは何のために飲むのですか?
前日の「下剤(センノサイド)」は腸管の動きを促進する作用があります。 センノサイドで前日までにたまっている便を一度出してもらいます。 便がダムになっていると、前処置薬を飲んだ時に危険なことがあります。 腸管に傷が出来てしまったり、場合によっては腸が破裂します。 そして当日の「前処置薬(モビプレップなど)」で、腸の洗浄を行います。 前日の下剤内服で、検査当日の腸の洗浄を 「安全にスムーズに」行えるようになるわけです。 ですので「下剤(センノサイド)」と「前処置薬(モビプレップなど)」は 必ずセットになります
大腸カメラ【挿入法の歴史】
大腸内視鏡検査は苦痛・痛みとの闘いの歴史だと思います。
内視鏡を大腸の奥まで到達させることが困難だったのです。
1970年にオリンパス社からCF-LBという大腸内視鏡用スコープが発売されました。
当時の報告では上行結腸(大腸の一番奥の部分)までの到達率は、わずか8%でした。
現在では考えられない到達率です。
腸管は柔らかく、押せば伸びます。伸びると奥まで入らない。
また腸管を伸ばせば苦痛・痛みが出現し、破れてしまうこともあります。
その後、様々な方法の挿入が試みられます。
end to end法、ropeway法、腸紐誘導法などは、患者さんにあらかじめ飲んで貰った
紐が肛門から出てきたところで、その紐を頼って深部への挿入を図るものでした。
先人達の苦労が分かる挿入方法です。
1990年前後には、消化器内視鏡学会の学会誌にも2人法という挿入法が紹介されています。
スコープのアングル(ハンドルだと思って下さい)を術者が両手で操作し、内視鏡の出し入れは第2術者が行います。そして内視鏡の先端の位置はレントゲンで確認します。
実際に院長が研修医だった頃は、まだ一部の施設で行わわれており、実際に拝見したこともあります。
内視鏡を2人で操作する必要があったわけですから、大腸カメラは胃カメラに比べて
操作が非常に難しいことが分かって頂けると思います。
しかし現在の挿入法は基本的に上記の流れとは異なります。
レントゲンも含めて特別な道具は使わずに、医師が1人でスコープを操作し、大腸内視鏡検査を行います。
順天堂大学出身で、Mt.Sinai病院に在籍していたDr.Shinyaの新谷式挿入法が、現在の大腸内視鏡挿入術の原点だと言われています。既に1969年には大腸内視鏡を使用し大腸ポリープを切除しています。
その後、国内では1990年代に工藤進英医師により軸保持短縮法が発表され、大腸内視鏡検査は急速に普及していきました。院長が先輩医師から最初に教えられた方法もこれです。
軸保持短縮法を基本として、近年は送気を行わない浸水法や無送気軸保持短縮法など、大腸内視鏡の挿入法はさらに発展を見せています。
この一連の流れは腸管を伸ばさない、腸管に負担をかけない挿入法を目指す、という方向で一致しています。患者さんの苦痛に配慮して、大腸スコープの挿入を行うことが大切なのです。
後述しますが当院では極力痛みを抑えた大腸内視鏡を目指し、さまざまな配慮を行っています。