本日のTVです。日本対がん協会のまとめとして下記のことが報道されていました。
2020年、がん検診を受けるひとが「前年比173万人の減少」となり未発見となっているがんの患者さんは少なく見積もっても「1万人」に上ると推測されるそうです。
しかも…胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの分野に限った「がん検診」の受診者だけで…この数字です。
※報道ステーション 2021/3/23
新型コロナによる受診控えや、密を避けるための検診人数制限が原因だと考えられています。
また在宅勤務となれば、会社からの「検診を受けて下さい」の通知も徹底されにくい環境となります。
がんの発見に甚大な影響が出ています。
ニュースではがん治療の一線で戦う医師の言葉も紹介されていました。
日本有数のがん治療病院である「がん研有明病院」の医師は
『抗がん剤が難しい進行したケースで紹介される患者が増えた印象がある』
『発見が遅れると治療の選択肢が狭まる』
『非常に悔しい』とコメントをされていました。
実際、当院でも「検診結果が分かった時点で受診してくれていれば…」と悔しい思いをする場面がありました。
「もっと早く胃カメラにきてもらえていれば…」
「もっと早く大腸カメラが出来ていれば…」
確かに…新型コロナへの感染リスクが「0」の検診施設や医療機関は存在しません。
そうではありますが、本来は発見できたはずのがんで不幸になるひとが増える現状も看過できません。
胃がんと大腸がんだけでも、合わせて年間9-10万人が命を落としています。
多数のひとから「がん早期発見」の機会が奪われた2020年-2021年以降から数年間は、がん死亡者数の激増が心配な有様です。
検診(健診)をいかに安全に行うのか?
検診(健診)で精査となったひとに感染リスクを考慮しながら、適切な医療を提供するのか?
医療機関へ与えられた大きな課題であると考えています。
新型コロナの診療をしていない一般の医療機関や検診(健診)施設でも、感染対策は進んできています。
2021年からは「昨年の遅れを取り戻す」ための行動が求められています。