【除菌後胃癌】
H.pylori菌の除菌療法は、胃がんや胃潰瘍のリスクは減らすことができます。
しかしながら良いことばかりではありません。
「除菌後の胃に発生した早期の胃がんは発見が難しい」
上記は、内視鏡専門医のあいだでは、もはや常識です。
進行がんではなく、特に早期胃がんにその傾向は顕著だと考えます。
癌としての悪性度が低いことも多く、癌ではない周囲との差異が出にくい。
癌と正常の腺管が入り乱れることがある。
癌ではない粘膜にも、赤い陥凹などの癌と紛らわしい変化が出現する。
などなど、理由は枚挙にいとまがありません。
少なくとも高齢の男性で除菌療法をおこなったかたや、内視鏡治療(ESD)をお受けになった後で除菌をした患者さんについては内視鏡治療に精通した医師による、しかも拡大機能を有する、高い解像度の内視鏡での検査をおすすめします。
解像度の劣る、経鼻内視鏡での検査は当院ではお勧めしていません。